20代でPMを任された僕が失敗から学んだこと

20代でPMを任された僕が失敗から学んだこと

こんにちは。株式会社ボードルア、入社6年目の町田です。
僕は今、ITインフラエンジニアとして、お客様先でプロジェクトマネージャー(PM)を任されています。
ボードルアの平均年齢は27歳。「若い人を信じて任せる文化」が根付いている当社では、
20代でリーダーやマネージャー職に就くことは珍しくありません。

僕もその一人。入社5年目、27歳の時でした。
技術には自信がありました。入社前研修でCCNAを取り、
入社後の「ボードルカレッジ」で応用技術を学び、誰よりも現場で手を動かしてきた自負がある。
だから上司からPMを打診された時、
「よっしゃ!技術力でチームを引っ張っていく、最強のプレイヤーPMになってやろう」
と意気込んでいました。

 …しかし、その意気込みが、僕のキャリアで最大の「失敗」を引き起こすことになるとは、夢にも思っていませんでした。

「僕がやれば早い」という最大の過ち

任されたのは、お客様の基幹システムに関わるネットワークの刷新プロジェクト。技術的な難易度も高く、まさに腕が鳴る案件でした。

プロジェクトが始まると、僕は早速「プレイヤー」として全開になりました。
「この設計、一番難しいところだから僕が巻取ります」
「その構築作業、手順書作るより僕がやった方が早い」

自分が一番技術を知っている。だから、自分が一番手を動かすべきだ。そう信じて疑いませんでした。

しかし、1ヶ月が経った頃、プロジェクトは静かに困難な状況に陥り始めていました。

僕は難易度の高いタスクに没頭するあまり、メンバーの進捗管理やメンタルケアが疎かになっていました。

「僕が忙しいんだから、他は自分で考えて動いてよ」という空気を出し、チームの雰囲気は悪化していました。

お客様からの「ちょっとした仕様変更」に対しても、「技術的には可能ですよ」と安易に引き受けてしまいました。

それが積み重なり、気づけば工数は大幅に超過。スケジュールに「赤信号」が灯っていました。

僕は、「技術」に溺れ、「管理」を怠っていたのです。

失敗を救った「おせっかいな仲間」と「距離の近さ」

自分は「最強のプレイヤー」でいることに満足し、PMの仕事から逃げていた僕。

そんな僕の状況を変えてくれたのは、ボードルアならではの「社員同士の距離の近さ」でした。

一人でタスクを抱え込み、明らかに疲弊していた僕を見て、

現場のチームメンバー(もちろんボードルアの仲間)が声をかけてくれました。

「町田さん、一人で抱えすぎです。俺たち、そんなに頼りないですか?もっと任せてください」

さらに、担当役員との1on1ミーティング。

ボードルアは、平均年齢が若いだけでなく、経営陣との距離が驚くほど近いのです。

役員は僕の状況を全て把握していました。そして、厳しい言葉が飛んできました。

「町田君、PMの仕事は何だと思う?君が深夜まで一人で作業することが、プロジェクトの成功への最短距離なのかな?」
「PMの仕事は、チームの力を最大化すること。お客様と交渉し、チームが走るべき”道”を整備することだ。やるべきは『技術』ではなく、『技術を軸にした管理』かもね」

はっとさせられる衝撃でした。 このフィードバックが素直に胸に刺さったのも、

役員とのランチミーティングや、オフィスでの雑談など、

普段からフランクに本音をぶつけ合える関係性があったからこそ。

厳しい指摘も「自分のため」だと心から受け入れられました。

失敗から学んだ、PMとして本当に大切なこと

そこから、僕は自分の動き方を180度変えました。

1. 「技術」は”使う”ものから”判断する”ものへ

PMに必要な技術力とは、自分で手を動かす力ではなく、「技術的な意思決定」をする力だと知りました。
「このタスクはAさんのスキルなら任せられる」
「このリスクには、この技術で対処しよう」
自分が作業する時間をゼロにし、メンバーのスキルを見極め、仕事を「任せる」ことに全力を注ぎました。

2. 「信頼」こそが最強のバッファ

ボードルアが「若い僕を信じて任せてくれた」ように、僕も「声を上げてくれた仲間」を信じることにしました。
「僕がやった方が早い」という傲慢さを捨て、メンバーに任せ、フォローする体制を作る。すると、驚くほどチームの雰囲気が良くなり、僕が管理業務に集中できる時間が生まれました。

3. お客様の「No」を言う勇気

ボードルアでは、お客様との距離が近いからこそ、要求に応え続けたくなります。 しかし、プロジェクトを成功させるため、僕は「できないことは、できません」と初めて言いました。
もちろん、ただ断るのではありません。「その要求はスケジュールに影響します。代替案としてこちらはいかがですか?」と、”管理”の視点から交渉する。それがPMの仕事だと気づいたのです。

まとめ:失敗できる「距離の近さ」が、最速で人を育てる

幸い、プロジェクトはチーム一丸となって軌道修正に成功しました。 あの時、僕はPMとして大きな失敗をしかけました。

しかし、ボードルアには、その失敗を「経験」として許容してくれる懐の深さがありました。 そして何より、僕が失敗を認め、変われたのは、声を上げてくれる「おせっかいな仲間」と、本気で叱ってくれる「上司や役員」が、物理的にも心理的にも、すぐそばにいたからです。

ボードルアの「風通しの良さ」と「距離の近さ」は、単に仲が良いだけでなく、お互いを本気で成長させるためのセーフティネットになっています。

20代でのPM挑戦は、技術力だけでは超えられない、巨大な壁でした。 でも、その壁を乗り越えた今、「技術」と「管理」の両輪を回せるエンジニアとして、新しいステージに立てた実感があります。

  • 失敗を恐れずに挑戦したい。
  • 最速で成長したい。

ボードルアは、そんな熱意を持つエンジニアにとって、最高の「実践の場」です。

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