ぶっちゃけ夜勤はしんどい?それでもエンジニアが”夜働く”キャリアの真実
ITインフラ業界で囁かれる「夜勤は大変」という噂。その真相を確かめるべく、
夜勤も設計・構築も経験してきた入社6年目のエンジニア佐藤さんを直撃。
彼の口から語られたのは、その厳しさと、乗り越えた先に見えるキャリアの本質だった。
入社6年目エンジニアを直撃!「夜勤の噂」は本当ですか?
単刀直入に伺います。夜勤は、やっぱり大変ですか?
――― 本日はよろしくお願いします。早速ですが、ネットなどでは『インフラエンジニアの夜勤は大変』という声をよく見かけます。これって、やっぱり本当なんでしょうか?
佐藤: はい、大変です。仕事なので。(笑)もちろん、生活リズムを調整するのは簡単ではありません。ですが、そもそもITインフラという仕事が、なぜ存在しているのかを考えれば、その理由は明確なんです。
なぜ夜勤は存在するのか?社会を支える”当たり前”の裏側
――― というと、なぜ夜勤は必要なのでしょうか?
佐藤: 皆さんが普段使う水道や電気、ガスと同じで、ITインフラは『社会にあって当たり前』のものです。そして、その”当たり前”は、深夜でも土日でも関係ありません。むしろ、皆さんが寝ている間、お店が閉まっている間に、システムは動き続け、データを処理しているんです。
その”当たり前”を守り続けるためには、24時間365日、誰かがシステムを見守る必要がある。だから、夜間や休日の業務は、この業界において絶対に欠かせない、非常に重要な役割なんです。
「しんどい」だけじゃなかった!夜勤経験がキャリアを伸ばす理由
現場を知る者が、未来のプロジェクトを創る
――― なるほど…社会インフラとしての重要性は理解できました。ただ、エンジニア個人のキャリアとしては、大変なだけで終わってしまう、というイメージもあります。
佐藤: そう感じる気持ちは、よく分かります。ですが、この経験は、その先のキャリアに驚くほど繋がってくるんですよ。
夜勤を経験するというのは、ただ夜働くということではありません。『誰かが作った手順書をもとに、限られた時間と情報で、ミスなく作業を遂行する』という、現場の最前線を体験することです。その経験があるからこそ、自分が将来、設計や構築、あるいはマネジメントの立場になった時に、『現場の人が、いかに作業しやすいか』を本気で考えられるようになるんです。
例えば、手順書一つ作るにしても、『この書き方だと、深夜に一人で作業している担当者は迷うかもしれない』とか、『このコマンドを実行する前に、確認のステップを一つ入れてあげよう』とか。そういった細やかな配慮ができるようになります。それは、自分が現場で感じた”やりにくさ”を知っているからこそ生まれる視点なんです。
夜勤経験で得られる、未来の自分を助けるスキル
- 現場への深い共感力:深夜作業者の心理や状況を理解し、配慮の行き届いた設計・指示ができるようになる。
 - 実践的なリスク管理能力:限られた情報の中でトラブルを未然に防ぐための、現実的な視点が身につく。
 - 「伝わる」資料作成スキル:誰が読んでも迷わない、分かりやすい手順書やドキュメントを作成する能力が向上する。
 
結論:夜勤は、未来の自分への”最高の引き継ぎ”だった
佐藤: 夜勤は、そのプロジェクトだけで完結する業務ではありません。将来、より良いシステム、より働きやすい環境を作るための視点を養う、キャリアにおける非常に大切な第一歩なんです。
佐藤さんの話から見えてきたのは、夜勤という業務が持つ、もう一つの側面でした。
それは、将来エンジニアとしてステップアップした際に、現場で働く仲間への深い共感と配慮を持った
プロフェッショナルになるための、不可欠な経験であるということ。
深夜の静寂の中でシステムと向き合った経験こそが、未来のプロジェクトで仲間を助ける、最高の引き継ぎ資料になる。
佐藤さんの言葉は、そのキャリアの本質を静かに、しかし力強く物語っていました。